「元気やった？」
「吉貴さん・・！」
２日に１回この会話
毎日会いたいくらいです
毎回違う花束を持ってきて下さるお陰で
私の病室は花屋さんのようです
枯らすことが得意な私でも
貴方が持ってきてくれた花ですもの
一生懸命育てています
「あの、毎回お花、ありがとうございます。」
「自費ちゃうから気にせんといてぇな。」
毎回貴方はそう言いますね、吉貴さん
相方さんからお聞きしました
『さんが元気になるように花言葉まで調べて持って行っている』
そう聞きました
とっても嬉しいです
今日の花はスズラン 花言葉は「純粋」
一昨日の花はクリスマスローズ 花言葉は「私の心配をやわらげて」
その前の花はアイスランドポピー 花言葉は「なぐさめ」
貴方の思いが花に籠められている
眺めるだけで一日が終わってしまいそうです
元気になったら貴方に
『愛しています』が花言葉のアネモネを届けたい
「吉貴さんって花に詳しいんですか？」
「まぁ 多少・・ね。」
花瓶の水を変えながら貴方は言う
「元気になったら吉貴さんにも届けたいです」
「へぇ 何の花？」
「・・秘密です」
「楽しみにしとくわ でもトリカブトだけは送って来んといてな」
「トリカブト・・？」
「あぁ 復讐って意味ね」
「送りませんよ、そんなの！」
「ははは」
最近は花言葉とか言い合ったり
好きな花とか言ってみたり
そんな他愛もない話をするようになりました
吉貴さんが来てから体調もグングン回復してきています
主治医も驚くほどです
医師は「さんの生命力が強い」と言いました
しかし私はそうは思いません
私は吉貴さんが居るから生きていられたのです
そう、吉貴さん
あなたが、いるから。
「退院おめでとう、さん」
「ありがとうございます」
病院の前には数名の医者と看護婦
そして貴方、吉貴さん
私が倒れてから半年もの月日が流れました
それをずっと支えてくれたのは他でもない、貴方なのです
「吉貴さん、半年間ずっとありがとうございました」
「いやいや、元気になってくれて何よりやで」
貴方を愛してる だから勇気を出して
貴方と手を繋いでみました
「吉貴さん、アネモネの花言葉って知ってますか？」
「アネモネ・・？」
「今度私が貴方に届けたい花なんですよ、アネモネ。」
「『愛してる』って言いたいん？」
「知ってるんですか！？」
「もちろん存じております」
パッと振り向いたとき
貴方の顔が近くにありました
膝を屈めて中腰になって
私の肩に手を置きました
ねぇ 吉貴さん
愛してます 本気で愛してます
「じゃあ俺は コチョウランでもプレゼントするわ」
「花言葉は？」
「『あなたを愛します』やで」
「ありがとうございます！」
「、好きやで」
「吉貴、私も・・」
一番大好きなアネモネの花を抱えて
愛する人と口付けを交わした
愛しています 心から
ずっと ずっと ずーっと
永遠の愛を築いていきましょう
貴方とならば大丈夫
愛しています 吉貴
＝ＥＮＤ＝
えっと・・もっと大作に仕上げようかと思ったんです。
でも花言葉集読んでいるうちに書きたくなって・・。
私の好きな花は月下美人です。
花言葉は「はかない美」。
合わない・・（苦笑
