大好き宣言






『拝啓

須知裕雅様



貴方のことが

大好きです


私の気持ちに

気付いてください


より』












アタシが貴方のこと好きだって

もう

気付いていらっしゃるでしょう



貴方と別れたあの日から

もう

とっくに

気付いていらっしゃることでしょう





覚えていますか？

遠距離恋愛に耐えられず

私から別れを告げたことを


元々大阪にいた私は

を夢見て

上京しました


上京して2年にも成ったときです

ブラウン管に映っている

貴方の顔を見ると


いつも隣に居た貴方とは

違うような気がしたのです



貴方に


辛かったのです

こんなに近くに居るのに

貴方に触れることの出来ない悔しさ


あの素敵な笑顔を

間近で見ることの出来ない寂しさ


それに

アタシは虚しくも

勝てることが出来なかったのです




ねぇ　

もしもまだ

アタシが好きなら

アタシを抱きしめてください

強く、強く


東京での勤務が終わって

大阪に戻ってきました

懐かしいです

あなたと歩いたこの道も

変わっていません


摂津の木々の香りを

心底感じています










「っ・・？」

鼓膜を刺激するのは



あなたの声ですか？


「・・？」


「やっぱりやん！久しぶりやなぁ！」




貴方とアタシは

恋人でもないことを

知っているのですか？




「ホンッマ・・会いたかった！」




貴方は私を

抱きしめたつもりですか？


「っ・・」

小柄なアタシの体を

抱きしめたのは貴方でした


ねぇ、

貴方の胸で泣いてもいいですか？

思い切り


ねぇ、

「大好きです」と

言っても良いですか？



「・・大好きです」





振ったのはアタシの方なのに

「大好きです」と言って

貴方は嫌いに成らないでしょうか？



「俺も大好きや！

　　　　　　　、もう一回やり直そうや」



荷物がバタッと落ちて

貴方の腰に手を回す


「うんっ・・！

　　　　　　ゴメンねっ・・」



謝るしかなかったんです、アタシには


でも

優しく


貴方は頭を撫でてくれた



「もう俺、何処にも行かへんから！」

「アタシだってっ・・もう東京には戻らないからぁ！」


涙は止まりませんでした



















『須知裕雅様

　
　宣言します


　貴方の事が

　　　　　　大好きです


　もう何処にも行きません


　沢山沢山

　デートしましょう




　一生破りません



　この



　「大好き宣言」！』











＝ＥＮＤ＝
離れて分かった、彼への想い。
さん、おめでとうございます。

『大好き宣言』

っていうのは、某ＭＩＤＩサイトさんからヒントを得たものです。

タイトルが純粋な乙女心って感じでしたので。

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