腕の中に抱きすくめても

必ずその思いは儚く、消えてゆく。


告白されたりした数なんて数え切れない。

ましてや告白した数でさえも。








            おもひびと きもちむなしく ちりにける









勉強ばっかやってる頭ガチガチのやつが授業を受けているであろう時間のことである。
案の定数組のグループが授業をサボり、屋上にたむろしている。
遅刻はしてないしテストだって受けてるしサボるのは1時間程度。
不良っぽくない不良って言うのは、どこにだっているだろう。
やっぱり高校生になるといろんなことに興味を持ち始める。
タバコ酒車バイク夜遊び、その他諸々。

「授業ダルイわぁ」
「理科の授業つまらへんねん」

京都はおしとやか?そんなの昔の文化がそうだからって決め付けんといてぇな。
昔の歴史の見すぎ聞きすぎ。

「てか絶対阿部ってカッコエエし」
「お前またその話かー」

俺には幼馴染ってのがいていわゆる昔からの友達ってわけで。
昔から変わらないとか思わない。こいつは変わってる。良い意味で。

「このあたしが言うんやからおかしないやろぉ」
「面食いちゃうねんなぁ。てっきり俺にしとんのかと思たわ!」
「いっぺん死にます、徳井君?」
「謹んでお断りさせていただきます」

さっきから阿部という同じクラスの奴の話ばかり。
阿部は大してでしゃばりでもないし影が薄いこともない。
つまりは、普通なのである。

「アンタはルックスが良すぎて似合わんのぉ」
「お褒めの言葉有難うございます」

まぁでも恋心と言うのは抱きつつある。
年々大人になってきている、気がする。
これが青春だろう。胸にしまっておくべきか、そうしないか。

「てかまた告られとってんやんアンタ」
「1年のツグミちゃんやろ?他は覚えてへんけど」
「ツグミちゃん泣いてたやん?」
「付き合える思てたんやろな、ちょっとは美人やから」

ツグミちゃんははっきり言ってブサイクだ。
いや、1年の女の子が全員ブサイクであの中でツグミちゃんが一番ましなのか。
高校生とはいえ3年生の俺らから見たら1年生はガキっぽい。
やはりオネエ系の大人を求めるのだろう、悲しい性である。

「それにしても阿部、彼女おんのんかな?」
「居てるんちゃうのん?」











何故か、胸が痛くなる。
もうこれは失恋しているのだろうか?いや、そうだろう。
あんなにこいつが阿部について熱弁しているのを見るのは始めてである。
あぁ、こんなに切ないとは。
普段から告白されてばかりいるから、なおさら。










嗚呼、無情。










=END=
うわ、なんかやだねー。
 

 







































 
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