すべてはきみしだい








腕のためらい傷は消えるさ。
失ったものはもう一度手に入るように努力すれば良い。
君の事は全て、君次第なのだから。


僕の彼女が自傷を始めたのは最近のことでは無いらしい。
腕だとバレてしまうので僕の彼女はすねに無数の傷を付けていたらしい。
今はだんだん治まってきてかさぶたも消えてきているのだ。
昔の彼氏に散々もてあそばれ、捨てられ。
それなら誰だって辛いわ、と僕は冷たくもやさしいつもりで言い放ったのだった。

そして僕の彼女は『ともだち』というものを昔の奴のせいで一気に失った。
どうしてか。やはりそいつは堅気ではなかったらしく、僕の彼女は組の奴らにもせまられたらしい。
僕の彼女はそれで尻軽女というレッテルをばんと貼り付けられ、昨日まで親友だった女は逃げた。
昔の奴は散々僕の彼女から金を巻き上げた末、最後は野良犬のように追い払った。


どうして僕の彼女は僕のところにやってきたのだろうか。
いや、僕が僕の彼女に吸い寄っていった。僕が道を踏み違えようとも。
僕は彼女を守るべきであったのだろうか。
全ては君次第だと、教えたかったからであろうか。
多分そうだろう。僕の彼女の過去を知ってしまっていてもこれからの人生には関係ないから。
僕の彼女には助言しかできないけども。ほんの少ししか助けにはならないけども。


僕はきっと僕の彼女を影ながらに助けるだけだ。
下から僕の彼女を押し上げて、上から僕の彼女を引っ張る。
でも、上の取っ手に捕まろうとするのも、僕の手を取ろうとするのも、僕の彼女の意志だ。
そうさ、全ては君次第だ。
たとえ僕が居なくなろうとも。そして居ようとも。
もう大丈夫。君はもう1人じゃない。辛かったら僕のところにおいでなさい。
優しく抱きしめてあげましょう。










=END=
ちょっと暗めな文章ですね。でも菅さんっぽさは出せたんではないかと思います。
少しでも読者さんの励みになれば、と思います。







































 
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